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  • ローリングストーン誌が選ぶ、2020年の年間ベスト・ホラー・ムービー10選 | マイナビニュース

    幽霊物語、暴力シーン満載のコメディ・スプラッター、先住民のゾンビ、透明人間など、2020年屈指の悪夢の世界を紹介。 2020年は、必ずしもホラー映画がなくてはならない年ではなかったかもしれない。直近の出口の見えないパンデミックから大統領選という悪夢にいたるまで、私たちの実生活は、恐怖に事欠かなかった。2020年のトランプ政権下のアメリカの1日より恐ろしいものなんてあるのだろうか? 私たちの多くが必要としていたのはカタルシス的な何かであり、例えばそれは終末論を説くTwitterの投稿や延々と垂れ流される新型コロナ関連の統計ではなく、私たちの恐怖を投影する空間だ。ここで紹介するホラー映画のお手本のような10本は、どれも自宅に閉じ込められた私たちのドアの外で起きていた出来事と直接的な関係はない。だが、それより重要なのは、どの作品も現実世界を無視していないだけでなく、このランキングの中でももっとも現実逃避的な作品でさえ、ジェンダーや社会階層など世間を賑わせた話題に対する見解を何らかの方法で表明している点だ。幽霊物語、暴力シーン満載のコメディ・スプラッター、先住民のゾンビ、透明人間など、本誌が選ぶ2020年のホラー映画ベスト10を紹介しよう。 10位『ズーム/見えない参加者』Photo : Shudder Films 私たちは、これから数年間にわたって2020年の日常の恐怖を再現しようとする無数のホラーまたはその他のジャンルの映画に苦しめられることになりそうだ。2020年の日常の恐怖とは……ウェブ会議ツールZoomを使った会話にほかならない。だが少なくとも、イギリスのロブ・サヴェッジ監督と米ホラー映画配信サービスShudderのパトロンたちは、『ズーム/見えない参加者』によって気弱なビビりを怖がらせるための基準を最高レベルに設定した。劇中では、グループのリーダー的存在のヘイリー(ヘイリー・ビショップ)という若い女の提案で20代の若者たちは霊媒師と連絡を取り、Zoomを使った”オンライン交霊会”を開催しようとする。遊び半分の気楽なムードは、誰かが誰か——あるいは何か——を怒らせたかもしれないと霊媒師が言いはじめたとたん一変する。絶叫が響き渡るのは、ここからだ。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999)や同作によって誕生した数多のファウンド・フッテージ(訳注:他者によって制作された既存の映像を作品の全体または一部に使って新たな作品をつくる手法で、映画やTV番組のジャンルのひとつ)系ホラー映画のように、『ズーム/見えない参加者』はローファイ技術とおなじみの演出(スプリットスクリーン、視点の切り替わり、背景のループなど)を見事に屈指した模範的な事例であり、2020年の混乱に救いの手を差し伸べる方法をしっかり心得ている作品だ。(日本公開:2021年1月15日) 9位『ブラッド・ブレイド』Photo : Jan thijs/Shudder Films ”レッド・クロー”と呼ばれるネイティブアメリカンの居留地では、不可解な出来事が続いていた。そこでは、はらわたを抜かれたシャケが跳ね回り、安楽死させられた犬が吠えつづける。それに、血を吐いている街の酔っ払いは、人間の肉にやたらと飢えているようだ。その半年後、同地で暮らすミクマク族の人々は、生き残りをかけたゾンビとの壮絶な死闘に巻き込まれる。脚本も手がけたジェフ・バーナビー監督は、TVドラマ『ウォーキング・デッド』シリーズ、葛藤する保安官という主人公(マイケル・グレイアイズが主役にふさわしいシリアスなオーラを放っている)、さらには徹底的に包囲された安全地帯といった数々の要素を過去の作品から拝借して『ブラッド・ブレイド』に取り入れている。生存者が先住民の人々で、おぞましいゾンビのほとんどが白人であるという点も見逃してはならない。同作は、古典的なジャンルにネイティブアメリカンというツイストを効かせた良作であり、殺戮シーン(看護師とチェーンソーの生々しすぎるスプラッターシーンなど)を出し惜しんだり、反植民地主義的かつ生態系を懸念する解説をカットしたりもしていない。「これは我々への罰なんだよ」とカナダの先住民・アボリジニのベテラン俳優、ゲイリー・ファーマーは言う。「神のせいじゃない。地球は人の愚かさに激怒している」。(一部劇場にて公開) 8位『ココディ・ココダ』Photo : Dark Star Pictures 遠く離れた場所でキャンプをするときは用心しよう。童謡の世界から飛び出してきたかのような風変わりな三人組があなたのテントを襲い、何度も何度も延々とあなたを殺しつづけないとは限らないから。スウェーデンのヨハネス・ニホルム監督が放つ傑作ホラー『ココディ・ココダ』は、ある家庭を襲った悲劇で幕を開ける。そのせいで夫婦(レイフ・エードルンド・ヨハンソンとイルバ・ガロン)は悲しみで放心状態になり、心に傷を負う。それから3年後、ふたりはキャンプに出かける。ここで待っていましたといわんばかりに凶暴な男、ゴスルックの浮浪児、白スーツがトレードマークの米作家トム・ウルフ顔負けの晴れ着に麦わら帽子という出立ちの変人(ペーテル・ベッリ)が登場する。ハッピーエンドなんて存在しないとあなたは言うかもしれないが、『ココディ・ココダ』にはそもそも終わりというものが存在しない。というのも、夫婦は見知らぬ三人組の手でサディスティックにいたぶられて死んだ挙句、すべてが振り出しに戻ってしまうのだ。そしていくつかのツイストとともに、またすべてが繰り返される。観ている人は、何週間も忘れられそうにない悪夢を見ているような気分を味わう。ありがとう、スウェーデン!(日本劇場公開終了) 7位『Freaky(原題)』Photo…

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  • ブライアン・イーノが語る、ポストコロナ社会への提言とこれからの音楽体験 | マイナビニュース

    2020年に音楽活動50周年を迎えたブライアン・イーノは、多くの顔を使い分けながら新しい歴史を切り拓いてきた。70年代からポップ音楽にアートの前衛精神を持ち込み、近年最注目されているアンビエント・ミュージック=環境音楽の概念を確立。デヴィッド・ボウイのベルリン三部作に貢献し、プロデューサーとしてトーキング・ヘッズやU2などに携わり、映画/テレビ番組のスコアでも輝かしい功績を残してきたほか、インターネットの普及を牽引したWindows95の起動音や、iPhoneの自動音楽生成アプリ「Bloom」の制作などを通じて、科学やテクノロジーの領域にまで影響をもたらしている。リベラルな現代思想家としても知られるイーノは、パンデミックに見舞われた2020年に何を考え、どのような未来を思い描いているのか? ※この記事は2020年12月25日発売の『Rolling Stone JAPAN vol.13』に掲載されたもの。取材は2020年10月に実施。 「私にとって最大級の発見」イーノを夢中にさせたアプリ ー2020年はあなたにとって、どんな年だったといえそうですか? イーノ:恥ずかしながら、私個人にとっては非常に充実した年になった。3月にロンドンを離れて、田舎に持っている家に来た。それまでここでゆっくり過ごすことはほとんどなかった。一番長い滞在が3週間だ。でも今回は3月からずっとここにいるから、もうかれこれ8カ月いることになる。心の底から満喫しているよ。とても興味深かったのは、ある日を境に、自分の予定表が「ビッシリ詰まっている状態」から「白紙の状態」に変わったんだ。「ああホッとした!」と思ったよ(笑)。いきなり時間ができたんだ。これは常に言ってきたことだけど、生きていてある一定のところまで来ると、お金は重要ではなくなる。ほしいのは金ではなく、時間だ。 ーわかります。 イーノ:そんなわけで、いきなり「たくさんの時間」という贈り物をもらったわけだ。私は今、イギリス東部のノーフォーク州とサフォーク州の境にある小さな村に住んでいる。イギリスの中でも人口が少なく、静かで美しい平地と大きな空のある場所だ。そこでまた思索し、音楽を聴くようになった。ここに来た際、スタジオ機材を持って来なかったため、普段やっていたこと、つまり毎日音楽を作るというのをやらなくなった。ロンドンでは毎日スタジオに行って音楽制作をしていた。音楽制作を一切しない日のほうが珍しいくらいだ。でも、ここでは最初それができなかったんだ。それは機材を持ってこなかったから。機材がなければ音楽は作れない。私はそういうミュージシャンだからね(笑)。 ーええ、存じ上げています(笑)。 イーノ:だから、これまでよりも音楽を聴くようになった。作曲家として常に音楽を制作していると、音楽を聴くことがほとんどない。音楽を作りながら、他の音楽を聴くことはできないからね。自分が作っている音楽しか聴くことはない。他の大勢の人のように、多くの音楽と触れる機会が実は少ないんだ。作曲家になると、誰よりも音楽を聴く機会が少なくなるという不思議なパラドックスが生まれる。デザイナーや画家、作家をやっている友人たちのほうが最新の音楽事情に詳しい。彼らは一日中いろいろな音楽を聴いているからね。ということで、ここに到着してすぐの頃に、あるアプリを見つけたんだ。「Radio Garden」というんだけど、知ってる? ーいいえ。 イーノ:君たちの読者全員に薦めたいくらい凄いんだ。私にとっては最大級の発見だよ。どういうものかというと、(携帯で実際にやりながら説明してくれる)アプリを立ち上げると、こうして地球上に地図が出てくる。その上に緑に光っている点がいくつも見えるはずだ。この緑の点、一つ一つがラジオ局なんだ。試しに日本にある緑の点を選んでみよう。 ー思い切りハズレでないことを祈ってます。 イーノ:きっとハズレだろうね(笑)。(日本にある緑の点を選んで、音楽が流れだす。いい感じのジャズが聞こえてくる) ー思ったほど悪くないですね。 イーノ:これは、なかなかいいラジオ局だね。どれどれ……「ラジオ逗子」という局だ(編注:湘南ビーチFMと思われる)。このアプリを見つけた時、「日本で今どんな音楽が流れているかをリアルタイムで聴けるなんて、なんて素晴らしいんだ」と思った………すまない。あとでまた聞けるように、この局を「お気に入り」に登録している(笑)。 ーラジオ局は大喜びでしょう(笑)。…

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  • 豊原功補が語る、新しいことへの挑戦と大きな可能性 | マイナビニュース

    音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。映画製作会社「新世界合同会社」を設立した俳優・豊原功補が、初めて映画をプロデュースする。俳優業だけではなく、作品により深く関わる「送り手」という立場から見えてきた新しい可能性、そしてものづくりに対する考えとは? Coffee & Cigarettes 20 | 豊原功補 ※本記事は、Rolling Stone Japan vol.10(2020年3月25日発売号)に掲載された記事です。 新しいことへの挑戦には、大きな可能性と共に常にリスクがつきまとう。ましてやキャリアや歳を重ねてからの挑戦となれば、思わず二の足を踏んでしまうことの方がきっと多いはずだ。しかし、今年55歳を迎える俳優・豊原功補の辞書には、おそらく「現状維持」などという言葉は存在しないのだろう。一昨年の秋、映画監督の外山文治や小泉今日子らを含む数人と、新たに映画製作会社「新世界合同会社」を設立した彼は、これが長編2作目となる外山文治の監督作『ソワレ』のプロデュースに挑んでいるという。 「外山監督の短編映画『此の岸のこと』(2010年)をたまたま観る機会があって、その時にものすごく感銘を受けたんです。そうしたら彼が、和歌山出身のプロデューサー前田和紀さんと新たな映画の企画を練っていると、知り合いのツテで紹介されて『一緒にやりませんか?』と本人から相談を受けた。自分としても映画に対する思いは十年二十年と持ち続けていた中で、何か出来ないかと頭をよぎっていた頃でした。つまり『新世界』は、この映画を製作することがきっかけで現実に立ち上がった会社なんです。ただ当初は、とりあえず少しずつ、ゆっくり進んでいければいいのかなと思ったのですが、いざやってみるともう闇雲に走りきる以外ないという多忙感満載でした」 そう苦笑する豊原。これまでも彼は、演出・脚本という形でいくつかの演劇作品を手がけ、作り手という立場としての取り組みは行ってきている。が、まさかプロデュースという形で映画と向き合うことになるとは思ってもみなかったという。 「不思議というか……人生なんて、自分の思い描いた通りには進んでいかないし、何がどこでどう変わっていくかはもう『出会い』と『タイミング』でしかない。自分の力ではどうしようもない、何か人知の及ばぬような力が働いていると思わされることばかりです」 プロデュースとは具体的に、どのような仕事をしていたのだろうか。 「とにかく、ありとあらゆる全て(笑)。潤沢な資金というわけではなかったですし、製作スタッフもとにかくミニマム。それこそ準備の段階から、脚本打ち、方向決め、書類のプリントや役者さんとスタッフさんのスケジュールまで、ほぼ自分たちでやりました。いざ現場に入ると、撮影を見守るのはもちろん、熱中症対策の飲料買い出し、俳優部の宿泊場所と現場のピストン。遅れて撮影に入ってくる役者さんを駅まで迎えにも行きました。これはプロデューサーとアソシエイトPとすれば特に不思議なことでもないのですが、僕や小泉さんが運転席から降りて『おはようございます。よろしくお願いします!』なんて挨拶するものだから、中にはびっくりしていた方もいらっしゃいました(笑)」 これまで表舞台で脚光を浴び続けていた2人。そのような仕事は自らのプライドを傷つけることにならなかったのだろうか。新しいことへ飛び込むのにも相当な勇気が必要なはずだ。 「楽しいです。『やるしかない』となったら、あまり余計なこと考えていられない。1本ネジが飛んじゃってるぐらいじゃないと(笑)。人にはよく、『どうして君はいつもキツい道ばかりを選ぶんだ?』なんて言われますが、そういう性分だろうから仕方ない。当然、モノを作る上で小泉さんあるいは製作スタッフ内で意見の違いが生じることもあります。でも、たとえ同じ頃にキャリアをスタートさせているとしても、そこから先の活動や表現方法のプロセスは全く違いますからね。そのそれぞれの違う経験を持ち寄って、最終的に求めるイメージみたいなもの、『こっちの方が面白いだろう』というところが近くにあればいい。そうやって、お互い一緒に積み上げていくことがやはり醍醐味なんだろうと思う」…

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  • ハワイ在住 俳優・平岳大 “コロナ禍のハワイ生活”を明かす「海に少し救われたというか…」 | マイナビニュース

    TOKYO FMの生放送トーク番組「TOKYO SPEAKEASY」8月12日(水)放送のゲストは、平岳大(ひら・たけひろ)さんと青木崇高(あおき・むねたか)さん。2019年にハワイに移住し、活動の場を海外に広げた平さん。ここでは、“コロナ禍でのハワイ生活”について語りました。 ▶▶この日の放送内容を「AuDee(オーディー)」でチェック! 青木崇高さん、平岳大さん ◆“アメリカ人に負けない体”を作るために… 青木:岳さんの骨格・肩幅は(標準的な)日本人の2~3倍くらいあるじゃないですか? 平:そんなにない(笑)。 青木:外国人に負けていないですし、見栄えがいいですし。 平:でも今、すごく筋トレをしているの。 青木:どうしました(笑)? 平:「Giri/Haji」では、そこまでデカい人と組んでいなかったんだけど、アメリカの俳優とかって鍛えているし本当にデカいから“俺もやらなきゃ”と思って。それで毎日筋トレをしている。 青木:“ガタイで負けてられない”っていうのはありますよね。 平:それはあるよね。体の大きさで“役のキャラ”が出てしまうというか。肩幅はあるけど細いので、こっちにいると少しヒョロっとした感じになっちゃうんだよね。 青木:向こうではそうなりますよね。だから役も限られてしまうような感じなんでしょうね。 平:そう。だから毎日プロテインを飲んでいる。 ◆コロナ禍でのハワイ生活は?青木:現在のハワイでの生活は、ほぼ筋トレですか? 平:俺の生活リズムの80%くらいは筋トレだから(笑)。今のハワイは、やることがあまりないのよ。ワイキキも全然閉まっているし。閑散としている。 青木:ビーチには行けるんですか? 平:海には入れるけど、ビーチには行っちゃいけないの。…

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  • 日本のストリートが舞台のスケートボーダー青春群像映画『STAND STRONG』公開 | マイナビニュース

    映画『STAND STRONG』が、2020年7月24日よりTOHOシネマズ池袋にて公開される。 世界最高峰のスケートコンテスト「STREET LEAGUE」の盛り上がりに加え、「2020年東京オリンピック」での正式種目決定により急速に盛り上がりを見せるスケートボード。映画『STAND STRONG』は、国内外のCMやMVの演出を手掛ける菊池久志と、日本人として初めてアメリカのスケートカンパニーにフックアップされ世界デビューを果たしたプロスケートボーダー岡田晋のタッグが作った、スケートボーダーのリアルライフを描いた作品となる。 撮影はオールロケにて敢行。ストリートカルチャーの中心であるTOKYOをはじめ、数々のスケートスポットで撮影され、大会シーンでは日本スケートボード協会、ARKLEAGUE、ムラサキスポーツの協力により臨場感溢れる大会を実現。物語の主人公は、日本のスケートシーン・ファッションアイコンでもある4人のリアルスケーター中田海斗(K役)、佐川涼(RYO役)、松本崇(CHEN役)、日高大作レイ(DAISAKU役)。 4人が織りなす迫力のあるスケートシーンと疾走感のあるクールな音楽、ストリートカルチャーを切り取ったリアルなシーンと映像美が見どころとなっている。 <映画情報> 『STAND STRONG』 公開日:2020年7月24日(金)より 出演:中田海斗、佐川涼、松本崇、日高大作、レイ、サイプレス上野監督・脚本:菊池久志 原作・プロデュース:岡田晋撮影:菊池久志 照明:入尾明慶 録音:鎌田隆宏 サウンドデザイン:徳永義明 制作:丸山めぐみ / 岩本桃子 配給統括:宮崎聡 宣伝プロデューサー:芥川志帆 / 中村陸真主題歌 :…

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  • ソロシネマ宅配便(11) 「巻き込まれ俳優」藤原竜也が“リバイバル” – 『僕だけがいない街』 | マイナビニュース

    コンビニのレジ袋が有料になった。 レジには透明ビニールシートがかけられ、店員と客それぞれが当然のようにマスクを着用している。これが2020年夏の日本の風景だ。誰がこんな未来の風景を想像しただろうか。コロナ前後の世界観は、映画やドラマの物語を創作する際、携帯電話の登場前後くらいの価値観の変容があるだろう。ふと気を抜くと、どこか違和感のあるもうひとつの世界に放り込まれたような感覚に襲われてしまう。 まるで映画『僕だけがいない街』(2016年)である。「コレ読んで漫画 RANKING」1位獲得の人気漫画『僕だけがいない街』(三部けい/KADOKAWA)を平川雄一朗監督、春名慶プロデューサーらが映画化。アニメ化やNetflixの連続ドラマにもなっているが、それらとは違う映画版の結末も話題となった。 ■“キング・オブ・巻き込まれ俳優”藤原竜也 藤原竜也 物語は時間が巻き戻る“リバイバル”に巻き込まれた29歳の藤沼悟が、現在の「2006年」と過去の「1988年」のふたつの世界を行き来することで展開する。自身が無実の罪を着せられ、犯人に間違えられた指名手配中の2006年母親殺害事件と、18年前の少年時代に遭遇した連続誘拐殺人事件の真犯人に迫るのだ。 主人公の悟を演じるのは「世界一、何かに巻き込まれる男」の称号を持つ“キング・オブ・巻き込まれ俳優”藤原竜也である。もうこの時点で本作は娯楽作品として一定のラインはクリアできている。舞台仕込みのアクションで「ええっ?オレ?なんで?なんなんだよっ!ちくしょー!うおおおっ!」キャラをやらせたら右に出る者はいない。アニメ、ドラマ、映画とすべて見たが、やはり映画版の藤原竜也の存在感はデカい。今の巨人における4番岡本和真クラスにデカい。 ■29歳の意識のまま10歳の身体に“リバイバル” 有村架純 自分の置かれた状況に戸惑いながらもその状況でベストを尽くすという『バトル・ロワイアル』シリーズ、『カイジ』シリーズ等でも多く見られた安定のザ・藤原竜っつぁんワールド。そこに現代のアルバイト仲間として片桐愛梨(有村架純)、母親の佐知子(石田ゆり子)らが絡み、物語は進む。 さらに悟は29歳の意識のまま10歳の身体に“リバイバル”して、誘拐犯の犠牲者となる同級生の雛月をなんとか救おうと手を尽くす。正直、原作付き謎解き要素のある映像作品の弱点として、多くの観客に怪しい人物は早い段階で分かってしまうが、そこはあまり重要ではない(焦点がぼやける文章や漫画のコマ割りとは違い、スクリーンにはある程度の情報が入ってしまう)。 少年時代の悟(中川翼)、雛月加代(鈴木梨央)といった子役の演技もナチュラルで、1988年という時代背景の作り込みがまた抜群だ。 めちゃくちゃ個人的な事情で恐縮だが、藤原竜也とはまったく面識はないが、出身地が近く高校時代のクラスメートが「中学の友達の弟が格好良くてさあ。なんかスカウトされたらしいよ」と言っており、今思えばそのイケメンの弟が藤原竜也だった。たぶん、彼とは数年のズレがあれど埼玉の片隅で同じような風景を見て育ったはずだ。だから、その子供時代の設定で、巨人の野球帽を被って走り回るガキや「ドラクエIII」が出てくる1988年の映像がやたらと沁みる。 少年はいつの時代も突発的な正義感に燃えるが、その度に無力な自分と向き合うハメになる。ヒーローになりたい“理想”と思うように動けない“現実”の狭間であがくのだ。そのズレを埋めるのが、本作における時間を巻き戻す“リバイバル”なのかもしれない。少年時代の記憶はその後の人生を生きる上で誇りにもなれば、足枷にもなる。 そんなことを考えながら、おじさんになった自分は『僕だけがいない街』を僕だけしかいない部屋でひとり見た。本作は謎解き要素は薄い。だが、藤原竜也要素は濃い。それはつまり、オススメの1本ということである。 ■【ソロシネマイレージ 76点】俺も有村架純みたいな同僚がいるピザ屋でバイトしたい人生だった……というのは置いといて、公式パンフレットによると、撮影時33歳の藤原竜也との関係が生っぽくならないよう原作では女子高生の愛梨役の年齢を引き上げフリーターに変更。確かに映像化において英断だったように思う。そして、何度見ても安藤玉恵演じる雛月母の作り込みがリアルすぎて怖いよ! 『僕だけがいない街』2012年より漫画誌『ヤングエース』(KADOKAWA)で連載された、三部けい氏の同名コミックが原作。身近で”悪いこと”を察知すると、その原因を取り除くまで数分前に戻り続ける”リバイバル”という特殊現象に巻き込まれた29歳フリーター・藤沼悟(藤原竜也)が、18年前に起きた児童連続誘拐事件の謎を解き明かす。幼少期のつらい思い出や気づくことがなかった母親からの愛情、クラスメイトの優しさなどに触れ、それが新たな記憶となって悟の過去が書き換えられていく様を描く。Amazonプライム・ビデオ(レンタル 299円)ほかで視聴可能(2020年7月18日時点)。

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  • イタリアの惨状を綴ったエッセイ「コロナの時代の僕ら」緊急出版…鈴村健一が日本の現状を危惧 | マイナビニュース

    声優としても活躍中の鈴村健一(月~木曜)と俳優の山崎樹範(金曜)、フリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。この記事では、4月13日(月)~4月17日(金)の放送から、ニュースを象徴する1つの数字にスポットを当てるコーナー「SUZUKI TODAY’S KEY NUMBER」で取り上げたトピックを紹介します。 鈴村健一(右)、ハードキャッスル エリザベス(左) ◆60万本現在、Nintendo Switch向けエクササイズゲームソフト「Fit Boxing」の全世界の累計出荷販売本数が60万本を突破。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で、自宅での運動ニーズの高まりを受け、発売から1年以上経過した今なお注目を集めているようです。人気声優が、インストラクターの声を担当していることも話題です。 鈴村は、「このゲームもそうですけど、『ビリーズブートキャンプ』も再び流行っていて。一時期、ちょっとだけやったんだけど、ビリー隊長の台詞が面白くなっちゃって『いいぞっ、その調子だっ!』みたいな(笑)。ビリー隊長の声をやっているのが、小杉十郎太さんという大先輩なんですけど、十郎太さんがやっていると思うと余計に面白くて(笑)」と流行当時を懐かしんでいました。 ◆1983年映画監督の大林宣彦さんが4月10日(金)、肺がんのため82歳で亡くなりました。代表作の1つ、“尾道三部作”の2番目に公開されたのが、1983年の映画「時をかける少女」です。 鈴村は、数ある大林監督作のなかでも映画「青春デンデケデケデケ」が大好きだそうで「『バンドやろうぜ!』って、家で集まってバンドをやるんですけど、かわいいし、青春しているし、ノスタルジックにもなれてすごく大好き。もちろん『時をかける少女』もすごかった。原田知世ちゃんが『かわいい!』ってみんなで大騒ぎになってね」と話していました。 ◆4月24日新型コロナウイルスの感染拡大で、イタリアでは死者が2万人を超え、罰則付きの厳しい外出制限が続いています。そんな現地の状況や、感じたこと、考えたことなどを綴った、イタリアを代表する小説家のパオロ・ジョルダーノさんによるエッセイ集「コロナの時代の僕ら」の日本語版が、4月24日(金)に早川書房から緊急出版されます。 これはイタリアで感染が広がり、死者が急激に増えていった2月下旬~3月下旬にかけて綴られたもの。感染爆発を予感しながらも、最悪な事態を阻めなかった自らとイタリアの人々、そして人類の振る舞いを振り返る、著者の思考と後悔の記録です。 鈴村は、「感染爆発を予感しながらも、議論しないまま通常の活動をおこなってしまった結果だったということですけど、今の日本にも言える、似ている状況ということですよね」と危惧。「一人ひとりが頑張れば何とかなったのかもしれないということですから、“何もしないこと(家にいること)”もまた1つの選択。一緒に頑張っていきましょう」と呼びかけていました。 ◆600人演出家の宮本亞門さんが立ち上げた「上を向いて~SING FOR…

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  • 映画『トキワ荘の青春 デジタルリマスター版』公開延期 | マイナビニュース

    新型コロナウイルスの感染状況ならびに政府・自治体・関係諸機関の発表や方針を鑑み、2020年5月29日(金)よりテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほかにて全国順次公開を決定していた映画『トキワ荘の青春 デジタルリマスター版』の公開が延期となった。 東京都豊島区にあった、伝説のアパート「トキワ荘」。”漫画の神様” 手塚治虫が暮らしたこのアパートに集った若き漫画家たちの日常を、『つぐみ』(1990年)『トニー滝谷』(2005年)の市川準が1995年に、史実に基づきフィクションとして創り上げた映画『トキワ荘の青春』。 トキワ荘の住人たちの兄貴分的存在だった寺田ヒロオ役を本木雅弘、寺田を囲む漫画家たちとして、大森嘉之、阿部サダヲ、古田新太、生瀬勝久、鈴木卓爾、さとうこうじ、翁華栄 ら、今ではみな日本映画界と演劇界を支える存在となっている、当時の小劇場・自主映画で活躍していた若手俳優が総出演。その他、桃井かおり、きたろう、時任三郎、内田春菊、安部聡子らも出演。 演劇界・映画界のホープたちが勢揃いした作品だ。 延期後の詳しい公開時期や日程は決まり次第、公式ウェブサイト、公式Twitter等で告知される。 (C)1995/2020 Culture Entertainment Co., Ltd 本記事は「アニメージュプラス」から提供を受けております。著作権は提供各社に帰属します。 Source Link

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