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Vol.130 3分以内のドキュメンタリーって何だ?[東京Petit-Cine協会] – PRONEWS : デジタル映像制作Webマガジン

札幌国際短編映画祭に新部門「MICRO DOCS for SDG’s」

去年の夏にこのコラムにご登場頂いた久保俊哉氏がやっている札幌国際短編映画祭が作品募集を始めている。この映画祭は日本国内では数少ない国際映画祭としての基準を満たし、その後のマーケットへの橋渡しともなる映画祭で、去年はオンライン主体であったが、今年はハイブリッドでリアル開催を目指しているらしいので、皆さんも是非挑戦してほしい。

私も去年から製作したいくつかの短編を早速応募したのだが、その時に少し変わったカテゴリーを見つけた。「MICRO DOCS for SDG’s」
 ん?3分以内のドキュメンタリー?何だそりゃ?というのが第一印象で、私個人の感覚で言うと、ドキュメンタリー作品って、例えばニュースでは伝えきれないテーマを深掘りした長~い作品というイメージだ。

それを3分って???フィクション映画を作る私にとっては普通なら笑ってやり過ごしてしまうものだが、数年前に観たアルゼンチンのとんでもなく美しいドキュメンタリー映画や深夜のテレビで観る日本の相変わらず美しくないドキュメンタリーの事を思い、この風変わりなカテゴリーに何故か興味を持ってしまった。幸運にも札幌国際短編映画祭マネージングディレクターの本間貴士氏に話を伺う事ができたので、そこから見えてくる札幌国際短編映画祭のポリシーをご紹介したい。

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Micro Docs部門について

SDGsに関連した3分以内の人物ストーリーを伝えるMicro Docsを募集します。

「Micro Docsの3つのキーワード」

NEW
誰も成し遂げていない新しい壁を越えていく人

WOW
生き方、技、成し遂げたことなどで人々を驚嘆させる人

GOOD
Social Good 社会課題を解決しようと試みる人

に該当する人物を取り上げてください。

Micro Docs部門のサポートを受けて、募集要項の一部を改定しますのでお知らせします。

改訂版 募集要項

募集期間

5月9日(月)より7月29日(金)まで
※応募受付期間が延長になりました。

応募料

1作品/1,000円(学生作品も同額)
応募料のお支払いは、こちらのパスマーケットページからお支払い下さい。応募料チケットの購入にはYahoo IDが必要になります。

Micro Docs部門作品応募ページ

映画祭応募サイトスポットライツに作品情報を登録してご応募下さい。

応募条件

  • 日本で制作された作品
  • 本編3分以下の短編作品(エンドクレジットを含まない)
  • 完成が2020年1月1日以降の作品
  • 楽曲使用権クリア済み
  • 学生作品、Webシリーズ、オンラインで公開済みの作品も応募可
  • 応募作品は最終完成作品であること
  • SDGsの17目標のいずれかをテーマとしたドキュメンタリー作品であること
  • 人物ストーリーを届ける作品であること
  • 部門賞を受賞した作品は、最低1年間のオンライン上映が可能であること、また大和証券グループの関連窓口等での上映が可能であること
  • 受賞作品は使用楽曲のキューシートを提出して頂きます

賞/賞金

Micro Docs for SDGs賞/賞金:20万円

なぜ、スポンサーにYahoo! JAPAN?

この分野にはYahoo! JAPANと大和証券がスポンサーとして名を連ねているが、なぜ彼らが映像作品を?と、ここでもピンと来ない。さてはYahoo!もAmazonのような映像プラットフォームでも作るのかな?とも思ったが、これはただの思いつきで作られたカテゴリーではないらしい。Yahoo! JAPANはその本分であるニュースサイトとして、随分前からドキュメンタリー映像コンテンツを作り、また、それらを製作するクリエイターを育成するプログラムを始めていた。

それが「Yahoo! CREATORS PROGRAM」と呼ばれるもので、そこにはYouTubeなどとは一味違った”ニュース作品”が並んでいる。中にはとても美しいものもあり、興味深いと同時に、一体どんな人が作っているのだろう?という疑問もわいてくる。そこが今回、短編映画を作るクリエイター達が集まる札幌国際短編映画祭とタッグを組んだ理由だと本間氏は言う。

私はドキュメンタリーの本分はジャーナリズムだと思っていたし、私達映像作家の嗅覚とは異質の嗅覚をジャーナリスト達は持っているものだと思っていた。それは多分間違った見方ではないと思うが、私の求める、また、日本が立ち遅れている”美しいドキュメンタリー作品”というものは誰が作ればいいのだろう?ジャーナリストがカメラや映像の事を学ぶべきか、私達映像作家がジャーナリズムに目を向けるべきか、多分その答えがこのコラボレーションにあるのだと思う。

ここから発掘されたクリエイターに対し、様々な分野のプロフェッショナルのサポートをYahoo!が用意し、もちろん製作費も提供するプログラムもある。そんな出会いが映画祭という場であれば、これは確かに素晴らしい。

簡単じゃない3分以内のドキュメンタリー

それにしてもなぜ3分以内なんだろう?Yahoo!の育成システムによれば、これを出会いのきっかけとして、サポートを受けながら短編ドキュメンタリー、更には長編ドキュメンタリー映画の製作へと進んでいくというのだが、ちょっと待ってくれ!3分って難しいぞ!少なくともジャーナリストが見つけて、長年追い続けて深めて来たテーマを、たった3分の作品のために投げ出そうとは思えないだろうし、そもそもニュースでは伝えきれないテーマを深掘りするという従来のドキュメンタリー作品とは真逆の指向性なのではないか?

そして私達、劇映画を作ってる人間にとっても、3分の作品というのは簡単なモノではない。そこに、ドキュメンタリーとしてテーマやメッセージを織り込むとなれば、なんだか薄っぺらいモノになってしまいそうで怖い。強いて言うならCMを作っている人達ならできるのかもしれない。15秒の12本分でメッセージを伝えると考えると時間的な問題はなくなるが、やはり取材というものには慣れてないはずだ。

つまり今すぐこの3分以内のMICRO DOCSをちゃんと作れる人は見当たらない。ということは…面白いじゃないか!!多分、今までにはないメディアコンテンツなのだろう。これは一度挑戦してみたくなる。幸い締切も延長されたようなので、私も”美しいドキュメンタリー”を目指して、テーマを探してみようと思う。

視聴ターゲットは多分通勤途中や家でスマホのYahoo!ニュースを読んでいるような人達だろう。他にもYahoo!は教育プログラムの教材としても発信・提供しているらしい。そこに現実に生きる人物やSDGsを美しく伝える。これは簡単な事ではないな。

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今の時代だからこそMICRO DOCの可能性

これからはいたるところで映像コンテンツが必要とされる。3分の短いドキュメンタリーと言ってしまえばそれまでだが、いざ作ろうとすると、それが全く新しいものだと気付く。そして全く新しい感覚を持ったクリエイターが必要になる。それは案外こういう単純な発想から生まれてくるモノなのかもしれない。

それぞれの時代にはそこにしかないチャンスがある。YouTuberというのもそうだし、古くは私のようなただの音楽家が映画を作れるようになったのも、時代の恩恵だと言える。初めは”なんでYahoo!が?”なんて思ってしまったが、案外新しい発想は別の分野から出てくるもので、ひょっとするとこのMICRO DOCSという分野、今の映像クリエイターに開かれた新しいチャンスの扉になりうるかもしれない。

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WRITER PROFILE

ふるいちやすし

ふるいちやすし

映画作家(監督・脚本・撮影・音楽)。
日本映画監督教会国際委員。
一般社団法人フィルム・ジャパネスク主宰。
極小チームでの映画製作を提唱中。

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