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鬼平、梅安 銀幕で再び 池波正太郎の名作を映画化 生誕100年の2023年以降に順次公開:東京新聞 TOKYO Web

 作家・池波正太郎(一九二三〜九〇年)の代表作「鬼平犯科帳」と「仕掛人・藤枝梅安」が新たに映画化されることになった。「鬼平−」の主人公長谷川平蔵には松本幸四郎(48)、「仕掛人−」で鍼(はり)医者と殺し屋の二つの顔を持つ主人公の藤枝梅安には豊川悦司(59)が扮(ふん)する。池波の生誕百年にあたる二〇二三年以降、順次公開の予定。 (宇佐美尚)

 製作はCSの「時代劇専門チャンネル」を運営する日本映画放送などが結成した「時代劇パートナーズ」のプロジェクト。映画だけでなく、ドラマも含めて「鬼平−」(百三十五話)と「仕掛人−」(二十話)の全話をオリジナル作品として映像化を目指す。

 二三年に「仕掛人−」の映画二作、翌二四年に「鬼平−」の映画一作を公開。同年には「鬼平−」の新たな連続ドラマ(全五話)を配信し、時代劇専門チャンネルでも放送する。

 「鬼平−」は江戸時代中期に実在した火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)をモデルにした物語。悪逆無道な人間を容赦なくたたきつぶす一方、時には情けをかけるおとこ気と人情にあふれた「鬼の平蔵」こと長谷川平蔵の活躍が描かれる。

 「仕掛人−」の主人公藤枝梅安はダークヒーロー。鍼医者として庶民に慕われる表の顔と、悪人殺害を金で請け負う裏の顔を持つ。単純な善悪論では成り立たない物語として知られる。

作品への意気込みを語る日本映画放送の杉田成道社長=東京都千代田区で

 両作はかつて映画やドラマでシリーズ化され、広く支持された。しかし近年、時代劇は中高年層には親しまれているが、「スポンサーがつかない」として民放地上波から次々、姿を消してしまった。「鬼平−」は一六年、「仕掛人−」は〇六年の放送分を最後に、新たな映像化は途絶えていて、日本映画放送の宮川朋之編成制作局長は「時代小説の名作が映像化されない」と危機感を口にする。

 今回のプロジェクトについて、同社の杉田成道社長は「時代劇という文化を継承し、次の世代にバトンを渡していく」と意義を強調する。時代劇の視聴機会を増やそうと、映画館での上映や時代劇専門チャンネルでの放送に加え、配信も予定。時代劇はセットや衣装で費用がかさむが、外国では「コスチュームドラマ」として一定の人気があり、海外展開も視野に入れる。

◆普遍的な価値描ける 平蔵役・松本幸四郎

 時代劇ファンにはなじみ深い主人公が新たに映像化される作品で、どう描かれるのか。映画化の発表に際し、主演の二人が東京都内で開かれた記者会見に登場し、意気込みを語った。

 幸四郎は「鬼平−」で演じる平蔵の人物像について「温かさ、優しさ、決断力、情を持つ」と説明。かつて祖父の初代松本白鸚、叔父の二代目中村吉右衛門も務めた大役とあって「進化した姿を目指したい」と口にする。

 時代劇を「流行に左右されない普遍的な価値を描けるファンタジー」と表現。時を経ても楽しめるのが魅力だとし、「多くの人に楽しんでもらって、(新しい)時代劇が誕生するきっかけにしたい」と話した。

◆時代劇に日本映画の未来 梅安役・豊川悦司

 豊川悦司は子どもの頃に「仕掛人−」の梅安にあこがれていたと明かし、「チャレンジしがいのある仕事を神様がくれた」と喜ぶ。善悪二つの顔を持つ主人公だが、「その極端な行為に説得力があるのが藤枝梅安の面白いところ」と語る。

 時代劇の「冬の時代」という言葉は否定。海外展開も見据えたコンテンツと捉えており「このタイミングで時代劇を復活させない手はない。時代劇にこそ日本映画の未来がある」と話した。

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