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インドの火星探査、「負け犬チーム」奇跡の成功描く – 映画な生活 – 芸能コラム : 日刊スポーツ

2021年1月2日13時0分

(C)2019 FOX STAR STUDIOS A DIVISION OF STAR INDIA PRIVATE LIMITED AND CAPE OF GOOD FILMS LLP, ALL RIGHTS

宇宙開発の中でも難易度の高い火星探査だが、60年代から米ソが競い、70年代にはそれぞれにいくつかの成功例がある。では、アジア初は? 中国でも日本でもなく、インドのマーズ・オービター・ミッション(MOM)だということはあまり知られてはいないのではないだろうか。

「ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打ち上げ計画」(1月8日公開)は、この奇跡的な成功までのいきさつを描いている。

2010年、全国民注目のロケット打ち上げに失敗した責任者のダワンとプロジェクト・ディレクターのタラは、「火星ミッション」に転属となる。かつての米ソでも失敗例の方が多く、中国にも成功例がない。しかも「ハリウッド映画1本分にも満たない低予算」。インド宇宙機関(ISRO)では紛れもない「閑職」だった。あてがわれたスタッフも「新米」と「ロートル」ばかりである。

が、16年9月、政府の計画承認からわずか1年5カ月という短期間でこのミッションは成し遂げられてしまう。何があったのか…。

決して諦めない信念の人であり、「責任はすべて自分」と言い切る理想のリーダー、ダワン。一方、主婦でもあるタラは家事をヒントに「推進力」や予算そのものの節約アイデアを次々に繰り出す。新米は前例に縛られず、ロートルには意地があった。「負け犬チーム」には予想外の潜在力があったのだ。

妻への思いだけで生理用品事業を大成功させた男の実話を描いた「パッドマン 5億人の女性を救った男」(18年)で助監督を務めたジャガン・シャクティが脚本・監督。今回も複雑な宇宙工学を生活者目線で解き明かしてくれる。

ダワン役はその「パッドマン-」でも主演を務めたアクシャイ・クマール。メガネ1つでこんなに印象が変わるのかと思わせる知的イメージで登場する。

タラは「ドゥルガー 女神の闘い」(16年)のヴィディヤ・バラン。したたかさを愛嬌(あいきょう)にくるんだ好演だ。仕事に家事に軽快に動き回るサリー姿がなんとも魅力的だ。

宇宙へのミッション映画では、必ずと言っていいほど登場人物が「かつて見た夢」を明かすシーンがある。今作では「私は『スター・ウォーズ』を見た時にこの仕事に目指すことを決めたの」というタラのセリフが記憶に残った。やっぱり「スター・ウォーズ」は偉大だ。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)

このコラムにはバックナンバーがあります。

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