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歌舞伎俳優・市川染五郎の“表現者としての覚悟” | ビューティ | ELLE [エル デジタル]

メイクアップアーティストブランド「シュウ ウエムラ」の日本ブランドアンバサダー就任や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への出演……歌舞伎俳優・八代目 市川染五郎の躍進が止まらない。美しき17歳が内に秘めた役者としての決心とは?

Kazuho Hirano

化粧をして衣装に着替えて……
外見を変えることによって心も切り替わる

初舞台は4歳のとき。弱冠17歳にして、演者として10年以上のキャリアを築いている八代目 市川染五郎。演じること、違う何者かになりきることは、彼にとってどんな意味を持つのだろう。

「演じている最中はとにかく必死で、楽しむ余裕はありませんが、自分がやらせていただいていることをふと俯瞰で見たときに、とても楽しく、貴重な体験をさせていただいているなと感じます。実は、そもそも自分は人前で何かをするっていうのは苦手で、人前に立ちたいタイプではないんです(笑)。でも、化粧をして衣装に着替えて……外見を変えることによって、心を役柄に切り替えることができているような気がします。演じるうえで、化粧と衣装は絶対に必要な要素ですね。歌舞伎の場合、化粧は自分でするんですが、化粧をしている時間っていうのが、役に入っていくためには不可欠です」

市川染五郎/シュウ ウエムラ

Kazuho Hirano

日本の伝統芸能を継承する存在であることにも、真摯に、そして冷静に向き合っている。

「歌舞伎には400年以上の歴史がありますが、先輩方が脈々と伝えてきてくださったすばらしいものはそのままにしつつ、現代の自分たちなりの工夫は加えられたらと思っています。でも、本当にいいものを削ぎ落とすことがないようにしなければならない。その見極めはとても難しいと思っています。

実は歌舞伎には、一見まったく関係がないような、現代のエンターテインメントや表現にも繋がっているなと感じられる点が多くあります。だから自分自身の表現を磨くために、いろいろなジャンルの表現に積極的に触れるようにしています。美術館に行ってアート鑑賞をしてみたり。“この作品のここを活かそう”とか、具体的なことではないんですが、何かに触れたときに得られる感覚的なことを自分の中に染み込ませていきたいなと」

市川染五郎/シュウ ウエムラ

Kazuho Hirano

ジャンルを超えた活動が“自分”を高めるきっかけに

「シュウ ウエムラ」の日本ブランドアンバサダーに就任。ジェンダレスにビューティを楽しむことが浸透しつつある世の中のムードを体現する存在としても、注目が集まっている。

「『シュウ ウエムラ』は日本の伝統を守ることと“革新”を両立させているブランド。そういう精神を持っていらっしゃるからこそ、伝統を守りつつ革新へと繋げていくことが使命の、歌舞伎役者である自分が選ばれたんだと認識しています。『シュウ ウエムラ』の精神と歌舞伎の精神は、ひとつに繋がっているところがあるように感じています。

クレンジングオイル(アルティム8∞ スブリム ビューティ クレンジング オイル)はもとから愛用していました。舞台では汗をかいても落ちないような濃いメイクをしますが、そのようなメイクもスルッと落ちて使いやすい。歌舞伎の化粧を続けてしていると肌荒れをすることもあるので、肌に優しいところも気に入っています」

市川染五郎/シュウ ウエムラ

利島産の椿オイルを使用したクレンジングオイルが限定チャリティーデザインで登場。製品を購入すると、売上の一部が利島の椿栽培の保護と継承の支援に活かされる。アルティム8∞ スブリム ビューティ クレンジング オイル (限定チャリティーデザイン) 450ml ¥13,200(2022年9月1日発売)/シュウ ウエムラ

Kazuho Hirano

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への出演も話題に。ジャンルを超えて演じることで、今までは考えていなかった、舞台で演じることの難しさも認識するようになったという。

「映像は、監督やカメラマンが構図を作ってくださるところがあるので、僕自身は視聴者からの見え方をそんなに意識することはないのですが、舞台の場合は観客が目の前にいるので、どうやったらお客さまに見えやすいかを、演じながらも常に考えて動かなければいけない。そういった意味では100%役だけになり切ることはなくて、どこか引いて計算しているんです。もちろん映像には映像の難しさがありますし、どっちのほうがどうといったことではないのですが、そういう舞台の特性に初めて気がつくことができました。

今後も、まずは歌舞伎でいろいろな役を演じたいですが、その上で他のジャンルのことにも取り組んでみたいですね。何をやらせていただいても学ぶことがあり、挑戦になると思っています」

市川染五郎/シュウ ウエムラ

Kazuho Hirano

市川染五郎をもっと知るためのQ&A

Q.“見られること”を意識して努力していることはある?

A.「ファッションなど演じることとは別の仕事では、メイクさんやスタイリストさんとも話をして、どういうビジュアルにするか考えています。わりと濃いメイクをしたり、奇抜な格好をするのは好きです。歌舞伎の舞台のために眉を剃っているので、あえて眉はないまま出てみることもあります」

Q.自分を美しく保つために心がけてきたことは?

A.「そもそも、自分のことを美しいと思ったことがないです(笑)! だから、そのために意識していることもありません。ちなみに、外見的な美しさって何十年も続くことではないように思います。今の姿をずっと保ちたいとは思っていないですし、その時その時で自分らしく、自然に変わっていきたいなという気持ちです」

Q.環境に配慮して気をつけていることはある?

A.「大きなことには取り組めていないですが、日常の小さなことは気をつけています。プラスチックの容器は洗ってから捨てるようにしたり。洗わないで捨てると、後々、分別しなければいけないというのを聞きまして。『シュウ ウエムラ』は再生プラスチックを採用されていますが、使う側として、そうした配慮のあるアイテムを選んでいくことも大切だなと思っています」

Q.どんな物事に日本ならではの美しさを感じる?

A.「言葉ですね。詳しいわけではないのですが、俳句などは音の響きだけでも美しいなと感じますし、文字に美しさを感じることもあります。ちなみに歌舞伎の古典の演目には、台詞に節があって音階が決まっているようなものもあります。日常の中ではボソッと言っているようなことでも、独特の抑揚をつけて発声していると、ああ、美しい言葉だなと気づかされることも」

八代目 市川染五郎
歌舞伎俳優。2005年3月27日生まれ、東京都出身。「シュウ ウエムラ」の日本ブランドアンバサダーを務めるほか、映像作品や雑誌への出演など、さまざまなジャンルで活躍中。

Photo:KAZUHO HIRANO Makeup:JUNICHIRO KIMURA (shu uemura)  Hair:AKANE Stylist:NAO NAKANISHI Text:CHIHIRO HORIE

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