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“オフ全開インスタ”が話題の伊藤英明、日常をさらけ出し俳優業への布石に「生き様が役に厚みを生む」 | ORICON NEWS | 沖縄タイムス+プラス

 俳優として20年以上にわたり、第一線で活躍し続けている伊藤英明。最新主演作『KAPPEI カッペイ』では、人類の救世主となるため修行に人生の全てを費やしてきた熱い男を演じた。これまでも“熱い男”を数々演じてきた伊藤だが、キャリアを重ね、役作りに臨む姿勢にも変化があったという。「出鱈目をやるのが俳優だと思ってた」と話す彼に、今の芝居への向き合い方や俳優としての理想を聞いた。

映画「KAPPEI カッペイ」に出演する伊藤英明(C)2022 映画『KAPPEI』製作委員会

【画像】「おじいちゃん?」「一瞬誰かと」ギャップがすごすぎるオフ全開な伊藤英明

■役作りで取り入れた“お笑い芸人”「オードリー春日の話し方を研究した」

――本作のメガホンを取った平野隆監督は、映画『クロスファイア』や『陰陽師』などのプロデューサーをしており、伊藤さんとは旧知の仲だそうですが、本作のお話がきたときはどのような心境でしたか。

【伊藤英明】 平野さんは、僕が20代だった頃からの付き合いなんです。最後にご一緒したのが15年ほど前の『この胸いっぱいの愛を』という作品でした。なので久しぶりに「英ちゃんにやってもらいたい役がある」と平野さんに言われたときはすごく嬉しくて、どんな役だろう?と思ったらギャグ漫画『KAPPEI』の勝平役と聞いて正直ガッカリでした(笑)。僕の中ではアクション満載のスパイ映画とか、賞レースに出品するような時代劇なのかもしれないと、期待しすぎていたところもあったんですよね。

――そんな気持ちから撮影に入った本作ですが、主人公・勝平を演じるにあたって、とても慎重になっていたとか。

【伊藤英明】 実写でギャグ漫画を演じるとなると、原作とは違う表現方法をしないと成立しないと思ったので、かなり綿密な打ち合わせをしました。こういうテイストの作品だからこそ真面目に挑まないと面白い作品はできないですから。役作りに関しては、オードリーの春日さんの話し方や、他のお笑い芸人さんネタの間を研究して、見た目は完全にスギちゃんに寄せてます(笑)。髪の毛はカツラを使用して、より漫画らしく、“変化しない不自然さ”が出せるように役を作っていきました。

■「今、俳優として変わらなきゃいけないタイミング」若手時代の反省と今の若手への羨望の思い

――勝平含め、これまで伊藤さんは“真っすぐで熱い男”を数多く演じてこられたイメージがありますが、そういったイメージで見られることをどう思ってらっしゃいますか。

【伊藤英明】 ありがたいですね。ただ、勝平のような突拍子もないキャラクターの場合“熱い男”という世間が抱く僕のイメージだけで成立させてはダメで、ちゃんと自分の人生を役に反映させて、足りない部分は増幅させる作業が必要でした。若い頃は、“できないこと”を“できるフリ”して誤魔化しながらやっていましたが、さすがにそれが通用するような年齢やキャリアではないので(笑)。

――芸歴を重ねていく中でお芝居への向き合い方が変わってきたんですね。

【伊藤英明】 若い頃って周りの環境次第で考え方が変わったりしますし、現場で色んなことを学んで力をつけて、どんどんできることが自然と増えていくんですよね。そして今、また俳優として変わらなきゃいけないタイミングだと感じています。いつまでも若さや勢いにしがみついていられないですから。そんな風に思っている時期に『KAPPEI カッペイ』と出会い、山本耕史くんや小澤征悦さんなど同世代の俳優たちと、どう表現したら自分たちのやりたいことがお客さんに伝わるかを真剣に話し合いながら作品と向き合うことができたので、それはすごく良かったなと思っています。

――今回、ヒロインを演じた上白石萌歌さん、勝平が東京で出会う大学生を演じた西畑大吾さんといった人気若手俳優とも共演されていますが、お芝居されてみていかがでしたか。

【伊藤英明】 みなさん臆すことなく現場にいて、真面目に誠実にそれぞれの役と向き合っている姿が印象的でした。

――伊藤さんのデビュー当時と比べて、いまの若手俳優さんたちとの違いを感じることはありましたか。

【伊藤英明】 デビュー当時は“出鱈目をやるのが俳優”だと思っていたので(笑)、そういう意味ではいまの若い俳優さんたちとは全く違うと思います。例えば、昔は先輩俳優の豪快な部分だけを真似したり、大事にしなきゃいけない時期を遊んで過ごしていたので、もう少し違うやり方があったんじゃないかと今は思うんですよね。あと、誰かに怒られたら“否定された”とか“嫌われてしまった”と当時は思っていましたが、本当は僕のことを思って怒ってくれていたんだと今更ながら気付いたりして。それに比べていまの若手のみなさんはちゃんと努力しているし、素直に人の意見を聞くこともできて様々な視点から物事を見るセンスまで持っています。それが羨ましくもあるし、彼らの面白さでもありますよね。

■何歳になっても夢は大きく「理想はアカデミー賞取って息子はKing Gnuみたいに!」

――近年、将棋棋士や僧侶役、さらには仮面ライダーなど、本作含め幅広い作品に出演されていますが、演じることに対しての向き合い方は変わりましたか。

【伊藤英明】 これまでは“馬に乗る役がきたからから乗馬を練習しよう”とか“時代劇だから所作を学ぼう”といった風に、いただいた役柄や作品に応じて準備をしていたのですが、最近は“こういう役をやりたいからいまのうちに習得しておこう”と役が来る前に取り組むことが増えました。そうすると、不思議とそういう役がきたりするんです。自分の興味のあることに対して真剣に取り組めば、それをお芝居で発揮できるので、こんなに幸せな仕事はないなと思いますし、作品ひとつひとつが血となり肉となるのを体感しています。

――お芝居だけではなく、最近ではInstagramでのオフ感溢れる伊藤さんの姿が大きな注目を集めていますが、SNSでオフショットを公開することに抵抗はなかったですか?

【伊藤英明】 作品と作品の間が空いたりすると、世間から“伊藤英明、急に老け込んだな”と言われたりすることがあるんです。年齢を重ねているから確かにそう見えるのかもしれないですし、役柄によってはそう言われても仕方がないのですが、それが怖いなと思っていて。だからSNSを使って普段の姿を見せて、世間のみなさんに“伊藤英明ってこういう生活しているんだな”とか“ラーメン食べてるよ”とかなんでもいいんですけど(笑)、少しでも役とは違う自分を知ってもらえたらという気持ちがあるんです。あと、そういった普段の生活や人生経験を見せることで、それがお芝居にも反映されて、役に厚みが出たりするといいなと思っています。

――確かに服装やヘアスタイルを気にせず、豪快にラーメンを食べる姿は衝撃的でしたが、よりあたたかさというか、親近感を感じました。人生経験によって役に厚みが出るとおっしゃっていましたが、俳優として体現されている方はいらっしゃいますか。

【伊藤英明】 津川雅彦さん、橋爪功さん、渡辺謙さん、真田広之さんなど、生き様がお芝居に出ている俳優はカッコいいですよね。みなさん俳優という職業を上手く使って人生を豊かにしている印象があります。

――最後に、今後の役者としての理想像をお聞かせください。

【伊藤英明】 あくまでも理想ですが、5年かけて1本の大作で主演を務めて、その映画が世界で1千億ぐらいの興行収入を出してオスカーを穫って、普段は海外に住んでいるけど、大河ドラマや朝ドラ、車や携帯のCM撮影でたまに日本に帰る、みたいな生活がしたいですね。あとはベストファーザー賞を受賞して、息子はKing Gnuみたいになっているのが理想です(笑)。ゆくゆくはジャパンアクションクラブみたいな団体を作って、世界に通じるようなスタジオを作るのも面白そうだなと。あくまでも理想ですよ(笑)。でも言葉にするのはタダだし、夢は大きく持たないと!

(取材・文/奥村百恵)

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