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キム・ジェヒョンが語る、日本のドラマ初出演作『君と世界が終わる日に』のこと、バンドN.Flyingのこと | SPICE – エンタメ特化型情報メディア スパイス

現在放送中の竹内涼真主演の日曜ドラマ『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)で、日本のドラマに初出演を果たしたN.Flyingのキム・ジェヒョン。先頃放送された第7話での衝撃の展開に、彼の役名である「ミンジュン」がSNSのトレンドワード入りするなど反響を呼んでいる。そしてその放送終了後には、菅田将暉が歌うドラマ主題歌「星を仰ぐ」をN.Flyingがバンドアレンジしたカバー映像をN.Flying Japan Official Instagramに公開し、ファンを喜ばせたばかりだ。コロナ禍により活動は制限されているが、日本での新たな挑戦を存分に楽しんでいる様子のジェヒョンに、ドラマ撮影現場のこと、日本での一人暮らしのこと、そしてN.Flyingのメンバーについても聞いてみた。

――日本のドラマの現場はいかがですか?

僕は、日本のドラマに出演するのが初めてですが、すごく居心地が良いです。共演者だけでなく、監督さん、スタッフさんとも仲良くなりました。『君と世界が終わる日に』の現場は、すごく雰囲気が良いんですよ。温かくて、家族みたいな感じ。いつも皆さんに「僕はラッキーボーイだ!」って言ってるんですけれど、それくらい素敵な現場です。僕が演じているミンジュンは無口だけど温かい人だから、放浪メンバーに優しくされてる。役としてもジェヒョンとしても、みんなに優しくしてもらっています。幸せな現場です。

――主演の竹内涼真さんとは、インスタライブも行っていましたが、すごく仲良しなのが伝わりました。

涼真ヒョン(※韓国では親しい年上の男性をヒョン=お兄さんと呼ぶ)とは最初はやっぱりぎこちなさがあったけれど、今はもう、本当に仲のいい友達みたいな感じで話しています。

――ジェヒョンさんの事務所の先輩、FTISLANDのホンギさんも、日本人のお友だちがたくさんできて日本語が上手になったので、ジェヒョンさんも!

わ~、友だち、欲しいですね。現場でもわからない言葉があれば、僕はみんなに聞きまくっていているのですが、みんなが優しく教えてくれるので、勉強になっています。本当に、みんなが優しくて!

――等々力役の笠松将さんは韓国語ができるから、心強い存在なのでは?

そうなんですよ、ビックリしました! 将ヒョンは、独学で資格も取ったそうです。僕がわからない日本語があったら韓国語で翻訳してくれるし、すごく話しやすいし心強いヒョンです。

――ミンジュンのお姉さん役の玄里さんとは、韓国語のセリフのシーンがありましたね。

はい。やっぱり、韓国語のセリフの方が楽ですね(笑)。玄里さんとのシーンは、ふたりで話してアドリブで韓国語のセリフを決めていきました。台本ではもっと短いセリフだったのですが、お姉さんとだから、自然な会話になるように、監督とも話して。

――とはいえ、このインタビューも日本語でやれるくらい日本語が上手なジェヒョンさんですが、日本語の台本を覚えて日本語で演技をするのは大変だったのでは?

はい。……これは正直にいうと、大変でした(笑)。僕は韓国でもドラマをやっていますけれど、3倍くらい練習しました。日本語のセリフを韓国語に翻訳したものと、読み方をハングルで表記したものを作ってもらって、それを覚えるので、覚えることが3倍! でも面白かったですよ、新しい経験でしたから。

――ジェヒョンさんが演じているミンジュンは、テコンドーでゴーレム(ゾンビ)と戦いますが、アクションシーンは大変でしたか?

テコンドーは小学生のころにちょっとやっていたのですが、ミンジュンを演じるために、日本での撮影に入る前、2ヵ月間、韓国でテコンドーの廻し蹴りの特訓をしたんです。だからアクションシーンは問題なくできました。廻し蹴りは上手くできたと思うのですが、人を蹴るということが怖かったんですよ……。これは、僕の性格なのかもしれないけれど、「大丈夫かな?」って思っちゃって。もちろんアクションシーンは、リハーサルを入念にやるのですが、逃げているシーンで急に「蹴って!」って言われることがあって。そういう時は、心の準備ができていないので難しかったです。

――もしミンジュンではなく、ジェヒョンさんがゴーレムに遭遇したら?

泣く! 一旦泣く(笑)。撮影現場にいるゾンビさんも怖いですけれど、現実にいたら怖いじゃないですか。武器を探すことが一番大事かもしれない。だって、蹴るときに噛まれるかもしれないし。ゾンビさんの動きが早いか遅いか、力が強いか弱いかわからないから、とりあえず、武器を探さなくちゃ!

――ゾンビが出てくる作品を参考に見たりしましたか?

けっこう、見ました。韓国映画の『新感染』、日本映画では『アイアムアヒーロー』とか。

毎日、メンバーと夜に連絡を取り合っているので寂しくはないです。テレビ電話しながらごはんを一緒に食べたりもします。

――日本ではいま俳優として注目されているジェヒョンさんですが、実は、韓国の音楽番組で1位も獲っている、N.Flyingというバンドのドラマーでもあります。今回、日本のドラマに出演して、どんなことがプラスになりましたか?

プラスばかりですよ! N.Flyingは2013年から日本でライブをしていますが、俳優としては新人です。こんなに大きなドラマで、本当に有名な俳優さんや女優さんと一緒に演技することだけでも、俳優としても自分としても勉強になっています。素晴らしい作品で日本で俳優デビューができて、もう全部プラスです。

――さきほど、お姉さん役の玄里さんと相談してアドリブでセリフを増やしたというお話がありましたが、これって韓国式ですよね。日韓の撮影現場の違いってどんなところでしょう。

1日の撮影時間は韓国の方が長いですね。でもその分、全体の撮影期間が短い。日本は1日が短いけれど、全体の期間が長い。それぞれ長所もあるし、短所もあります。

――ロケをしていた三浦半島は、お魚が美味しいところなのですが、美味しいものは食べましたか?

マグロ! だーーい好き! スシを食べました。マネージャーさんが連れて行ってくれたのですが、海の近くはやっぱりスシですよねー。おいしかったです(笑顔)。N.Flyingとして名古屋とか大阪とか、日本のさまざまな都市に行きましたが、三浦には初めて行きました。行ったことのない場所に行けて、仕事ですけれど、僕には旅行みたいな感じでした。せっかく日本に来たのに、コロナで旅行にも行けないから。仕事でも初めての場所に行けるのはワクワクします。日本にはキレイな場所がたくさんありますね。アニメで見たことがある場所に行ったりすると、さらにテンションが上がります(笑)。

――今回はメンバーと離れて、ひとりでのお仕事ですね。

バンドのときは常にメンバーが一緒だから、プライベートの時間がなくて、ひとりで何かをしたりひとりで考えたりする時間がないんです。たまには、ひとりも悪くないですね(笑)。でも、メンバーと一緒のときよりも気を付けることが多くなりますね。僕がひとりで仕事をしていて、不用意な発言をしてしまったらN.Flyingのイメージが悪くなるから。そこは気を付けています。

――寂しくないですか?

いいえ(笑)。毎日、メンバーと夜に連絡を取り合っているので。ギターのフンさんが一番多いんだけど、誰かしらからテレビ電話がかかってくるんです。韓国ではメンバー全員で合宿生活をしているのですが、宿舎でのルールが「ごはんを一緒に食べること」なんです。家族ですから。今、僕が日本にいますけれど、「明日の家族食事は〇時ね」って連絡が来て、テレビ電話しながらごはんを一緒に食べたりもします。その時間に間に合うように、僕も日本の宿舎でごはんを作ってスタンバってます。

去年の10月に日本に来てからすごく勉強しました。ドラマの現場の皆さんと仲良くなるにも日本語ができないとダメだから。もっと上手くならなくちゃ!

――ジェヒョンさんはソウル生まれなので、事務所に入るまでは実家暮らし、バンドに入ってからは宿舎暮らしで、実は日本滞在がはじめてのひとり暮らしなんですよね。

はい、そうなんです。これがけっこう、楽しくて(笑)。ちょっとだけ寂しいときもありますけれど、概ね楽しいです。食事も自分で作っています。ペク・ジョンウォンさん(テレビでも活躍する人気料理研究家)のレシピを検索してキムチチゲを作りましたが、めっちゃ美味しかった! 僕のキムチチゲは、キムチよりも豚肉の方が多いので、テジ(豚肉)チゲかな(笑)。楽しくて、いろいろな料理にチャレンジしています。

でも実は今、フェスンのキムチチゲがモーレツに食べたい! 宿舎では、料理が得意なボーカルのフェスンがごはんを作ってくれるのですが、フェスンの味が恋しくて……。自分で作っても、どうしても同じ味にならないんですよね。なんでかな? フェスンの手から出ている味なのかもしれない(笑)。フェスンのキムチチゲが恋しいです。お母さんの味とはまた違う、フェスンの味が!

日本に来て作れる料理が増えたので、韓国に戻ったらフェスンとお料理対決しようかと思って、「いまや僕の方がフェスンより料理の実力が上だから、覚悟して!」って宣戦布告しているんです(笑)。

――撮影がお休みのときは、どのように過ごしているのですか?

僕は毎日、動画でN.Flyingの昔のライブを見ています。ライブを見ると、ちょっとだけ力をもらうことができるから。最近は、料理が新しい趣味になりました。あとは、やっぱりゲーム。そして、日曜日の夜10時30分にドラマ『君と世界が終わる日に』を見ることですね(笑)。

――ちなみに、韓国でのお休みの日は?

メンバーそれぞれに部屋があるので、それぞれ過ごしています。作曲をしているメンバーが多いかな。あとはトレーニングしたり、みんなと一緒にゲームしたり。たまにフェスンとかベースのドンソンが部屋に来て、「だるまさんが転んだ」をやったりします。韓国にもあるんです、だるまさんが転んだ。韓国では「ムクゲの花が咲きました」と言うのですが。部屋の中だと距離が短いからめっちゃ緊張感があって、けっこうおもしろいんですよ(笑)。

――N.Flyingは韓国デビュー前に、日本に音楽留学をしていました。そのときと今、「日本に住む」ということに、どんな違いがありますか?

留学生活を送っていたときは、メンバーが一緒でした。フンさんが日本語が上手いから、あんまり僕が日本語を話さなくても生活できていたんですよね。今回、去年の10月に日本に来て思ったことは、「僕って、こんなに日本語がヘタなんだ……」ということでした。だから来日してからすごく勉強しました。留学時代はメンバーがいるから友達も必要なかったけれど、ドラマの現場の皆さんと仲良くなるには日本語が必要だし、ひとりで生活するには、買い物に行くにしても日本語ができないとダメだから。もっと上手くならなくちゃ!

N.Flyingのデビュー日は一番の僕の幸せな思い出です。この先に何があるのかわからなくて怖かったけど、ステージに立って前を見たらN.Fiaがいた。

――さて、6月30日にはN.Flyingのニューシングル「Amnesia」が日本でリリースされます。どういう曲なのでしょう。

僕たちN.Flyingのリーダー、スンヒョプさんが作詞作曲をした曲で、今までのN.Flyingとはちょっとイメージが違う曲です。「Amnesia」って記憶喪失という意味なのですが、すごくポジティブな……、前に進む感じの曲で、今のこの悪い時代を記憶喪失させて、N.Flyingと一緒にもっといい思い出を作りましょう! という想いも込められています。

――ジェヒョンさんが記憶喪失したい黒歴史って?

最近なんですけれど……。ドラマ『君と世界が終わる日に』3話のシャワーシーン。恥ずかしかった(笑)。僕と将ヒョンと涼真ヒョンの3人のシーンだったんですけれど、将ヒョンはかたい筋肉、涼真ヒョンはでっかい筋肉、その間に、杏仁豆腐みたいなふわふわな人いるから、ちょっと恥ずかしかったです。タオルをかけて必死に隠しました(笑)。「94年生まれ、93年生まれ、92年生まれの若い男の魅力を全部見せよう!」って意気込んでいたんだけど、恥ずかしかったんです(笑)。あの2人の間にいることが、恥ずかしかった。記憶喪失してください!

――その時の将ヒョンと涼真ヒョンは、どんな感じでしたか?

「かわいーなー、ジェヒョンかわいーなー」って言ってました(笑)。

――逆に、絶対に記憶喪失したくないことは?

2015年5月20日の、N.Flyingのデビュー日。その日があったからN.Fia(エンピア=N.Flyingのファン)の皆さんも会うことができたから。これが一番の僕の幸せな思い出です。あの日は、本当に緊張しました。僕は練習生の期間が長かったんです。練習生の目標はデビューすることじゃないですか。その夢がかなった日。ここがスタートなんだけど、自分の夢が終わったみたいで、新しい夢が思いつかなかったんですよね……。この先に何があるのかわからなくて、怖かったんです。でも、ステージに立って前を見たらN.Fiaがいた。それですごく幸せな気持になったのを覚えています。

去年Zeppツアーができなくなってしまたので早くリベンジしたい。今の目標は、やっぱりライブ。N.Flyingは、ライブですよ!

――そんなN.Fiaと会えない状況が続いています。ライブもできないし、韓国でも音楽番組が全部収録になってしまっていますよね。

収録でほかのアーティストさんに会って話しても、「ファンの皆さんがいないから、気合が入らない!」ってみんな言ってました。でも、ファンと会えないときだからこそ、テレビで僕たちのことを見たファンの皆さんに「僕たちは元気です!」ってことを届けなくちゃねーということも話していました。それがモチベーションになっていたかな。

――事務所の後輩のP1Harmonyもそうですが、去年デビューした新人の子たちって、まだ1度もファンに会っていないんですよ。

そうですよね。かわいそう……。今までN.Flyingが走ってこられた原動力は、ファン。新人さんたちもファンに会うために厳しい練習生生活を送って、ようやくデビューしたのに……。でもデビューした時の気持ちを忘れずに、ファンの皆さんに会える日まで頑張ってほしいです。

――ジェヒョンさんは、どんな時にファンの皆さんから力をもらいましたか?

ライブするときにですよね。ライブのとき、僕だけが見られる絵があります。それは、メンバーの背中越しに見えるオーディエンス。なんか、大きな絵みたいな感じなんですよ。これを見ているときが、一番幸せ。ファンの皆さんの表情とか感情が全部僕に届く感じがするんです。

――実際会えない間には、ファンの皆さんとスマホ越しで会話するビデオ通話会などがありましたよね。

実際に会えた方がテンションが上がるけど、ファンの方とテレビ電話で話すっておもしろい(笑)。でもやっぱり、直接会いたいな~。ファンミーティングとかサイン会のときファンの皆さんが「これ使ってください」って、花冠とかウサギの耳とかをくれるのですが、これがないからちょっと寂しいなと思っちゃって。うん、僕、けっこう好きなんです(笑)。

――ジェヒョンさんが日本で活動している間、リーダーのスンヒョプさんは、韓国でソロ活動を行いましたね。

はい、うちのスンちゃんが「ON THE TRACK」というシングルを出しました。タイトル曲の「Clicker」、すごくカッコいい曲です。日本に来られないスンちゃんの代わりに、僕が日本で宣伝しておきます(笑)。

――画面を通して見るのもよいのですが、やはり、N.Flyingはライブですよね!

僕たちも、ライブをやりたいです。去年Zeppツアーができなくなってしまって、すごく悔しかったし苦しかった。早くリベンジしたいです。ドラマ『君と世界が終わる日に』でN.Flyingのことを知ってくれた人がライブに来てくれたら、アリーナツアーができちゃうかも! 皆さん、お待ちしてますね(笑)。今の目標は、やっぱりライブです。N.Flyingは、ライブですよ! ライブで楽しむ……、これは多分全世界のみんなの目標なんじゃないかな?

取材・文=坂本ゆかり 撮影=森好弘

 

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